サンタの秘密はユメのナカ?
「アタシの〜ココロ〜あげる♪ リボンを〜かけて♪
キミのコ〜コロく〜ださい♪ 優しいkiss CHU!」
NANA。そういう歌詞の部分歌いながら、俺を見つめるのはよせ…。
澪ちゃん、若菜ちゃん、恥ずかしそうにこっち見ないでくれ。
美月、なんだその気まずそうな瞳は。
光、太陽…どうしてそんな優しそうに微笑んでるんだ。
…………ライム、ずいぶんと楽しそうだな。
NANAの歌が終わると同時に、部屋の電話が鳴った。
美月が受話器を取り、二言ほど言葉を交わした。
「あと5分くらいで時間だってさ。次の曲で最後になるわね」
「よっしゃ、ラストは任せときっ!」
ライムは意気揚々とマイクを受け取った。
「お、今の歌…95点や。これでNANAがトップになった訳やな」
「NANA、やったな」
「うんっ!」
NANAは嬉しそうにピョコピョコと跳ねながら、俺の隣に腰を下ろす。
そんなNANAを、自信タップリの笑みで見つめるライム。
「フッフッフ…さすがはNANAやわ。せやけど、最後は全力で歌うで…覚悟しときっ!」
95点という高得点を越えなければ、ライムの勝ちはない。
けれどライムは、勝つ気満々だ。
曲が流れる。