ブロンド台風注意報!


♪後日談♪



「NANA〜、一緒に帰ろ〜♪」
クリスマスも無事終わり、2学期の終業式もまた、滞りなく終わった。
もちろん、明日からは学園に来んでもええから、
外でNANAと会いまくりのデートしまくりもOKっちゅうわけや!
で、そのことについてNANAと語り合うために、
男子寮へと続く道で待ち伏せとったわけやけど…。
「NANAは俺と帰るんだ。お前はとっとと女子寮へ帰れ!!」
何でいっつも橘 慎吾がNANAの隣におるんや。
しかも、クリスマスでのお説教を根に持っとるのか、口調が厳しい。
「あはは…慎吾くん、そんなに邪険にしちゃライムちゃんが可哀相だよ。」
「そうそう、さっすがうちの未来の旦那さんや♪」
うちは、どさくさに紛れてNANAの細く、それでいて柔らかな腕に抱きつく。
と、自然とNANAの長い髪に括られたリボンへと目が向く。
「あ、リボンが二つ…いつもの黄色と、青いリボンやな。」
「うんっ、青い方は、サンタさんからのプレゼントなんだ。
前の黄色いリボンは、とっても大切な人から貰ったものだから、
外したくなくて。それで、両方つけてきちゃった。」
大切な人…もしかして彼女、とか?
でも、『大切な人』って言うた瞬間のNANAの表情は、
恋する──あるいは、恋してた男の子の瞳じゃなく、
もっとこう…遠くにおる親、兄弟とかを想うような、切ない感じの瞳や。
「そっか、大切な人か。じゃあ、大事にしないとな。
もちろん、青い方のも大切にしないと、サンタさんが落ち込んじまうからな?」
「うん、大丈夫!両方──もちろん、ライムちゃんから貰った熊さんも、
大切な宝物だもん。ボクは一生大事にするからねっ!
そうだ、この間のお礼なんだけど、今考えてるんだ。
楽しみに待っててね、ライムちゃん!」
そう言って、NANAは満面の笑みをうちに向けてくれた。
そして、ふと唐突に理解した。
この、NANAの眩しい笑顔が、うちにとっての宝物なんやな、と。


 後日談 END







ライム視点は初めてなので、
変なところも多いかと思いますが
気にせず読んでやってください。
克雪様