祝福
数時間後…
「どうしたものかな…」
ぼやく。
結局、クリスマスパーティー(というより宴会)が終わった後、酔い潰れなかったのは慎吾だけだった。
異空間だっただけに、部屋は惨状としか呼べなくなっていた。
辺りには酒瓶が転がっており、つまみの袋も散乱している。そのくせ料理やケーキはすべて食べられていた。
「…とりあえず片づけるか…」
「あら、起きてたんですか?」
「温子さん!どうしてここに?」
「静かになったから様子を見に来たんです」
「そうですか。あっ、ここ、ちゃんと片付けておきますね」
「いえ、私が片付けておきますから…」
「自分たちで散らかしたんですから、片付けますよ。他人の家ですし」
「ですが…」
結局二人で片付けるということで落ち着いた。片づけが終わると、温子が口を開いた。
「ありがとうございました」
「急になんですか?」
「七海達の事です」
「NANA達の?」
「貴方がいなければ七海はここにおらず、七瀬も家に囚われたままでした。本当にありがとうございました」
感謝してもしたりないという思いを込め、頭を下げる。改めて礼を言われる事に照れ、慎吾は顔を赤くする。
「私に言う資格はありませんが、これからも二人のこと、頼めますか?」
「もちろんです」
力強く頷く。その姿に思わず温子の目から涙が零れる。
「本当に、七海達はいい人と出会えて…」
溢れ続ける涙を拭い、温子が呟く。
「…んっ…ずっと…一緒に…」
古き家の言い伝えは呪いとなって無垢な双子に襲い掛かる。少女に死を、少年に鎖を。
そんな二人を救ったのはただの少年。何の変哲もない、平凡な少年。
願わくは、この少年少女達に、幸あれ。
疲れた…。
クリスマスなので懲りずに作風変えてみる。今回は自分でもなかなかと思えた。
NANA達の設定は某雪の降っていた街並みの奇跡が起きたということで
白昌様