ココロにリボンをかけて
それは年に1度おとずれ、女の子に勇気をくれる魔法の日。
まあその勇気を必要としないような、年がら年中強い女の子もいるのだが。
胸に秘めた甘い想いを、甘いプレゼントに込めて贈る日。
まあ胸に秘めたりせず四六時中想いをさらけ出している女の子もいるのだが。
2月13日、空が深い闇に包まれた時刻。
明日の決戦にそなえ、女子寮の厨房は戦場と化していた。
女子寮の管理人は、彼女達が何をしようとしているのか気づいていただろう。
けれど相手が相手だけに、特別に許可したのだ。
由緒ある名家の出で、かつ成績優秀スポーツ万能の少女
有名貿易商の娘で、人気が高い鷹宰学園制服のデザイナーの実妹。
裏で暗躍している者も、また存在した。
女子寮の厨房を使えるほどの力が無い者、誰にも知られず行動したい者。
何も手作りだけが想いを込める方法ではない。
彼女達は放課後寄り道をし聖戦の準備を済ませ、それぞれの想いを抱きながら部屋で息を潜めている。
そして翌日、2月14日。
戦いの火蓋は、切って落とされた。
ココロにリボンをかけて