ブラザー・パニック!






 突然、マークは慎吾の手を握った。
「へ?」
 呆気にとられる慎吾達。
 マークは瞳を潤ませながら、慎吾の手をより強く握り締める。
「さすがはライムが惚れた男や。ライムの目に間違いはなかったっ!!」
「はぁ…」
「橘…いや、慎吾君っ! 君こそ俺のライムにふさわしい、男の中の男やっ!!
 今日から俺の事は『お義兄さん』と呼んでくれっ!!」
「ハァッ!?」
 慎吾とNANAは同時に聞き返した。
「慎吾君…君ならライムを幸せに出来るっ! 俺はそう確信したっ!!
 どうかこれからも末永〜くライムを守ってやってくれっ!!」
「ちょ、ちょっと待てよ。テストの合格はライムとつき合う事と関係ないはずだろ?」
「今日から君は、俺の義弟やーっ!!」
「人の話を聞けーっ!!」
 聞いちゃいなかった。
 マークはライムにするように、力強く慎吾を抱き締め頬ずりを始める。
「ライムをよろしく頼んだぞ、義弟よっ!!」
「い、痛ッ! 痛いって! 怪我だらけなんだから抱きつくな〜っ!!」
「お兄ちゃんずるいっ! うちにも抱きつかさせてぇ〜っ!」
 兄を真似て、ライムもまた慎吾に抱きついた。思いっ切り。
「グハッ! ライムやめろ〜っ! そこは痛いんだってばっ!」
「慎吾君を離してよぉ〜っ! 彼に抱きついていいのは私だけなんだからぁ〜っ!!」
 リーガン兄妹に負けまいと、NANAも慎吾に抱きつく。
「NANAっ! お前まで抱きつくんじゃないっ!! つーかお前等、俺の話を聞け〜っ!!」
 誰も聞いちゃいなかった。
 NANA、ライム…そしてマークの3人に抱き締められながら、
 慎吾は傷の痛みと激しい疲労のせいで意識を手放した。

(こんな兄貴いらん)

 と、心の中で呟きながら…。






お し ま い




Party Partyのみなさんの予想通り、ライムEND後日談SS寄贈っ!
今回は自分の好きなキャラオンリー(七瀬がいれば完璧)で書いたので、
執筆が楽しくて仕方なかったり(笑)
SUMI様