真摯な意味


「で?話って」
此処は駅近くの喫茶店。
こんな所につれてくるくらいだからよほどの理由らしい。
「いやな、俺達ってもうすぐ卒業じゃないか?」
「うん、卒業だな」
まただ…
また、NANAと一緒に卒業できたらなって思っている。
自然と涙腺が緩む。
「ん、どうした?慎吾」
「いや、何でもないよ……それで?」
「それでな長い間俺達の面倒見てくれた寮のおばちゃんに何かしないかなって」
太陽が「色々迷惑かけたしな」と言って笑う。
「で、何をするんだ?」
別に構わないけど、何をするかは検討も付かない。
「いやな、それをお前に相談」
「あそ……」
何かあったけな?
寮のおばちゃんって言えばNANAが女だって事をを誤魔化すのに苦労したくらいしか記憶無いし。
風呂でのぼせて倒れちゃったりして…。
倒れるって言えば何か太陽の変なドリンクを飲まされてNANA倒れてたっけな?
あれ?変なドリンク……。
「あのお前がよく作ってた何とかドリンクって何て言ったっけ?」
「ああ、ステキドリンクかぁ?あれは流石に駄目だろ」
「そうだよなぁ〜」
ステキドリンクを飲んで倒れたNANAは何で飲んだんだっけ?
「麻雀……」
口から視線とその単語がこぼれた。
「おお!!麻雀か!!おばちゃんって確か麻雀好きだったよな」
「え?そんなので良いのか?」
「良いよ良いよ、光に聞いても金の懸かるもんばっかだったし」
そりゃあ光はボンボンだからな。
「じゃあ、いつにする?」
「ん〜〜?いつでも良いンだけど…」
おばちゃんって弥生先生なんだよなぁ〜。
それを知ってるのは俺だけだし。
「ああ!!おばちゃんの誕生日にしよう!!」
「慎吾おばちゃんの誕生日知ってるのかよ?」
「確か3月3日だったと思う」
確かと言うか弥生先生の誕生日だしな。
「今日は2月の25日か……わかったその日にしよう」








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