真摯な意味


「来ましたよぉ〜!!18000オールってあれ?」
おばちゃんがノリノリの間に光と太陽は倒れてしまった。
「まぁ、もう朝の5時ですし…」
俺もかろうじて起きているのがやっとだ…。
この人のパワーはどこから?
「ん〜〜。そうですね。そろそろ止めますか」
そう言って麻雀セットを片付けるおばちゃん。
「弥生先生……」
「シー!!皆さんもいる訳ですからおばちゃんです!!」
「今から言うのは独り言ですから…」
そう言ってから話を始める。
「自分は医者になるためにがんばって勉強しました……」
「はい…そうですね、神崎君がいなくなって少ししてから勉強をがんばり始めましたね」
「!…敵いませんね」
先生はニッコリ笑う。
「詳しい事はわかりませんよ?でも橘くんは何か悩んでいるのはわかってますよ」
「ええ…そうかもしれませんね」
光と太陽の鼾しか聞こえない室内。
「でも、神崎君がいなくなる前の橘くんはもっと前向きで諦めるような人じゃありませんでしたよ。
何にでも無鉄砲で勇気を貰いました」
「………」
「だから医者になりたい理由を一から考えて気持ちを整理してくださいね。卒業までの課題ですから」
先生はそう言って立ち上がり部屋を出て行く。
「ありがとう。先生」
悲しさが込み上げてくる。
今までに無いほどの悲しさだ。
でも涙は出てこなかった。
先生の言葉が俺自身に希望をくれたから…。
そうだ…
「自分はNANAを、神崎七海を救いたいんだ」
そう呟いた。
そうだったな……。
「何で諦めてんだ……」
そして笑いながら
「絶対諦めないって最初に言ったのは俺なのにな!!」








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