サンタの秘密はユメのナカ?
食事を終えてファミリーレストランを出ると、冷たい風が俺達を出迎える。
NANAは「キャッ」と言って身体をすくませ、俺に寄りかかった。
そんな俺達を意味深に見つめるライム…。
「んだよ?」
「いや、あんたらホンマ仲ええなぁ〜思て」
ニヤリと唇の端を吊り上げるライムは、姉貴が何か企んでいる時の笑みを連想させた。
嫌いじゃないんだけど、やっぱりこいつは苦手だ。
ライムは俺とNANAの間に割って入ってくると、ぐいっと顔を寄せてきた。
「あんた…もっとNANAにくっついていて上げてもええんやないの?」
「なっ…男同士でそんな事……」
「せやけど、好き合っとるんやろ?」
「それはだな…」
言葉につまる。
もしここで「そうだ」と言えば、おホモ達を全面的に認める事になってしまう。
けれど「違う」とも言えない。
ライム…お前は誤解をしているんだっ!!
いっそ真実をぶちまけてしまいたい。
俺が頭を抱えていると、NANAが俺の服を引っ張ってきた。
「ねえ、早く行かないとみんな行っちゃうよ?」
周囲をグルリと見回すと、俺達3人を置いてみんな先に行っていた。