「目指せ、80センチ後半!」




「美月ちゃん…いるかな?」
新聞部の部室前。
そこで、若菜は深呼吸していた。
なぜなら、彼女の大好きな彼もまた、新聞部員なのだ。
ただ、美月曰く『慎吾は幽霊部員だから』だそうで。
今日ここに来ている可能性は低いのだが、
そこはやはり恋する乙女、しかも男性恐怖症の若菜にとっては
ある意味ここで慎吾と遭遇するのは幸運でもあり不運でもある。
「いるかな…いて欲しいな…あ、でもいないほうがいいかな…?」
果たして『どちら』にいて欲しいのか、いて欲しくないのか。
少しずつドアを開けていく。
すると、小さな声が若菜の耳に届いてきた。
『なぁ美月、お前随分その…でかくなってきたよな?』
『はぁ?何が?お腹とか言ったら、蹴り倒すわよ?』
『いや、それはその…胸、とか。』
『なっ──!?ば、バッカじゃないの!?普通、いきなりそんなこと言う!?』
『だってよ、女らしくなってきたな〜って思ったんだから、しょうがないだろ?』
若菜は、中に入らず──いや、こんな状況で入れるはずもなく、
ドアを閉めてもう一度深呼吸を始める。
「そっか…胸、か…。」
そう言って若菜は、自分の胸を触ってみる。
お世辞にも、『巨乳』とは言えないほどのサイズ。
かと言って、小さいわけでもない。
バストのサイズは、ちょうど80。
ちなみに美月は85、この差は若菜にとっては天と地ほど大きい。
「…ガンバろっと。」
若菜は、動物小屋へと向かっていった。
そこに一人、かなりの巨乳なお友達がいるからだ。
彼女に聞けば、巨乳になる方法、ひいては慎吾に好かれるかもしれない方法を、
手に入れることができるかもしれない。




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