祝福
「遅かったわね、二人とも」
「光ちゃ〜ん、お前も飲めよ」
「待て太陽僕は…」
「七瀬とかゆーたな。ライムと付き合いたかったらワイを倒してみい!」
「ちょっ、お兄ちゃん…」
「あ、あの、僕は…」
「う〜ん、修羅場ね。カメラもって来てればよかったわ」
「美月ちゃん、それはさすがに…」
「あら、あの子も義妹になるのかしら?」
「……え〜っと……」
「……これはいったい……」
「さあ?いつの間にかこうなってたの」
目の前に繰り広げられてる光景は、乱痴気騒ぎを超えて異空間と化している。
確かに遅く来たが、そう長くは待たせていない。なのにこれは、ある意味恐ろしい物がある。
「ほら、七海ちゃんもこっち来て飲も♪」
「ちょ、美月さん!?」
呆然としていると、美月がNANAを引っ張って目の前の異空間へと引っ張り込んで行く。
その怒涛の勢いに、慎吾はただ黙って見ているだけしかできなかった。
「え〜っと…」
「あら、ずいぶんと賑やかですね」
「温子さん」
振り向くと、そこには微笑を携えた温子が立っていた。
「せっかくのクリスマスなんですから、楽しんだ方がいいですよ?」
「あの、すいません。こんなに滅茶苦茶にして…」
「いえ、気にしていませんから」
「そう言ってくれると助かります」
ふふっ、笑って答える。
「それじゃ俺も楽しんできます」