若い草花は輝いて



「はい、もう1つのプレゼント♪」
テーブルの上に置かれた写真。
そこには、七瀬と同じ格好をさせられた慎吾の姿があった。
もちろん、プレートはかけられてないし、ポーズも違う。
写真の中の慎吾は、涙を流しながら、丁度、自分の体を抱きしめる格好をとっている。
がっちりとした腕、立派な背中。
女の子と見間違う可能性0%な顔立ちと仕草。
七瀬なら、女の子だけでなく、男達からも可愛いと思われるが、
慎吾の場合、口が裂けても可愛いとは言われないだろう。
「うわ、最悪や…。」
そんな慎吾の写真から、ライムが嫌な表情のまま顔を背ける。
「ほ、ほ、Hogyaaaaaaa〜〜〜〜〜!!!!
お前、鬼だ悪魔だ、冷血な魔女だ〜〜!!」
「っさいわねぇ。
いいじゃない、ね、若菜?」
「う、うん、逞しいかも…?」
「本当に逞しいと思うなら、何で『かも…?』って疑問形なんだ…」
「で、でも、よ〜く見ると可愛いわよ。ね、七瀬?」
「え!?姉さん、感性おかしいんじゃ──あ、えっと…」
七瀬は、気まずそうに慎吾を見上げる。
そんな七瀬の小さな頭を、慎吾はポンポン、と軽く叩く。
「無理しなくていいぞ、七瀬。俺が一番よくわかってんだから。
NANAも、気を遣わなくていいからさ」
「「う、うん…」」
「しかしアレだな、美月ちゃん、こんなのよく撮れたよな。
カメラ目線だぜ、これ。慎吾、気付かなかったのか?」
「全然」
「エプロン着させた後、美月さん、その場を離れたでしょう?
で、隠れて撮ったんじゃないかしら?」
「その通り。さっすが澪さん。
だって昨日、準備で忙しかったもんね。
あんまり慎吾に付き合ってる時間なかったのよ」
「その忙しいときに、お前は俺や七瀬をおもちゃにする余裕があったのか」
慎吾の言葉に、美月はフイッと顔を背ける。
「昨日…あ!!思い出した!!」
太陽が、椅子を倒してしまうほどの勢いで立ち上がる。
「昨日、1月1日って俺の誕生日じゃねぇか!!
なぁ、俺のプレゼントは、パーティはないのか!?」
「「野郎のためのプレゼントやパーティはないな(でも、七瀬(くん)は別だけど)」」
慎吾と光の胸を貫く言葉に、太陽はシュンとしてしまう。
と同時に、その場を重く冷たい空気が支配する。
「あ、あの、川崎くん…」
「若菜ちゃん、俺、俺…う、う、うわあああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ん!!!」






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