秘密のParty Party REVENGE






7月20日


 ついに訪れる運命の日。
 実りなき復讐を果たすため、仕掛けられた罠に彼を誘い込む。
「ねえ慎吾君。今日…一緒に帰らない?」
「ああ、別にいいけど」
 放課後の教室、普段通りを装って彼に声をかけた。
 そしてボクの企みに気づく事なく、彼は承諾した。
 ボクの計画を知り自分が罠に落ちたと解った時、彼はどんな反応をするだろうか?
 今から楽しみでならない。
 そのためにも、彼に計画を勘づかれる訳にはいかない…。

「で、今日はどこへ行くんだ? NANAの事だから、俺の誕生日を盛り上げようと色々考えてくれたんだろうな」

 即座に勘づかれた。
「ええーっ!? ど、どうして解ったのっ!?」
「…いや、だって去年、俺の誕生日を絶対お祝いするとか言ってたし…。
 最近なんか帰りが遅かったし、やけに俺との会話避けるし、なのに今日に限って声かけてくるし」
 バレバレだった。
 もう自分が情けなくて、ボクはガクリと膝を落とす。
「な…NANA?」
「ううっ…内緒にして驚かそうと思っていたのに」
「あっ…そうだったのか。悪ぃ、つい…。知らないフリしてりゃよかったな」
「知らないフリされていたって意味が無いよぉ…。ボクは、キミにビックリして欲しかったんだから…」
「えっとぉ…その、なんだ。元気出せ」
「でもぉ…」
「せっかくの誕生日だってのにNANAが落ち込んでちゃ…楽しめないだろ?」
「…うん」
 ボクはあふれそうな涙をこらえて、精一杯の笑顔を作った。
 そうだ。ボクがこんなんじゃ、慎吾君が楽しい思いを出来ないよ。
 彼は優しい人だから、ボクの事を心配しちゃうもんね。
 ええ〜い、こうなったら破れかぶれだぁっ!
 ライムちゃんと一緒に考えたデートコースで、慎吾君をいーっぱい楽しませて上げるんだからっ!






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