秘密のParty Party FINAL
翌朝の出来事、確実に現実。
場所が変わっても、朝にやる事はどこでも一緒。
顔を洗って歯を磨いて髪を整える。
いつもは慎吾君に可愛いって思ってもらえるよう丁寧にやっているけれど、今日は七瀬もいるから特に念入りに。
身だしなみを整えて居間へ行くと、温子伯母さんの手料理がすでにテーブルに並んでいた。
「お、おはようございます」
少し緊張した堅苦しい挨拶を、食卓からしてくる七瀬。
「おっ…おはよう」
慎吾君にするようにニッコリと笑って挨拶を返したけれど、ちょっと噛んじゃった。
想いが通じ合いはしたけれど、やっぱり私達姉弟にはまだまだ時間が必要らしい。
慎吾君にも「おはよう」って言いたくて彼の姿を探すと、窓際のソファーに寝転がっていた。
「慎吾君、おはよう!」
ソファー手前まで行って声をかけたけど、彼は無反応。
規則正しく上下する胸。閉じている瞳。まさか…。
「しーんーごー君っ!」
彼の肩をゆすると、気だるそうに瞼が開かれる。
「むっ…NANA? …おはよ」
「もう朝だよ? いつまで寝ているのさ?」
「ああ…悪ぃ、ちゃんと起きるよ」
大きなあくびをしながらソファーから降り、慎吾君は食卓へと向かった。
「ずいぶんと眠そうだけど、どうしたんだい?」
私も慎吾君の後に続いてテーブルへ向かう。
慎吾君は七瀬の対面の席に座ったので、私はどちらの隣に座ろうかと一瞬迷い…七瀬の隣を選んだ。
学校ではいつも隣同士の彼は、コーヒーを一口飲んでから面倒くさそうに答える。
「別に…ただの寝不足だよ」
「寝不足?」
「ああ…。何か寝れなかったから…ちょっとな」
ちょっと、って言われても…何の事だか解らないよぉ。
昨日の夜、何かしていたのかな?