人魚姫NANA





「……お父様も非常に乗り気よ。これは互いの国の発展につながる事ですもの」
「そりゃ解ってんだけどなぁ、周りにお膳立てされて……ってのは」
「あら、相手が私じゃ不服かしら?」
「そんな訳ねーじゃん。でもなぁ、やっぱこういうのは……」
「……慎吾王子……。私達の結婚式は来月なのよ、そんな顔しないで」
 結婚?
 その単語に驚いたNANAは、ガサリと物音を立てて二人に気づかれてしまいます。
 すると王子様は申し訳なさそうに、NANAに告げるのでした。
「実は俺、澪姫と婚約したんだ。式は来月……また船の上でパーティーさ」

 NANAはショックのあまり、その場を走り去ってしまいました。
 王子様にもらったお部屋でNANAは泣き続け、翌日から王子様と気まずい日々が続きます。
 そして一ヵ月後。





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